脳神経内科

動作、意識、言葉、
「いつもと違う」と気づいたときは
救急の受診を!

診療方針と特徴

脳神経系は、《運動に関係する回路》と《認知・情動に関係する回路》の二つに大きく分けられます。前者が障害されると力が入らなくなったり、動作が遅くなったり、ふらつきます。後者が障害されると反応がいつもと違ったり、意識障害や言葉の異常、ぼけの症状が出てきます。
動作にしろ、意識にせよ、あるいは言葉の異常にせよ、いずれも「昨日と違う・いつもと違う」と気づいたときには救急で受診してください。脳神経内科の病気は後遺症が残ることが多く、早期受診・早期治療が大切です。そのほかケイレンやしびれも診る科ですのでお気軽にご相談ください。

医師紹介

主任部長 山﨑 正博 Masahiro Yamasaki (近森病院附属看護学校学校長)

Field[得意分野]

・脳卒中診療
・神経眼科学(眼球の運動障害)
・ケイレン・てんかん性疾患
・神経難病

Message[患者さんへのメッセージ]

1976年から神経診療を行っています。病歴を聴き、打鍵器と音叉、針などの診察道具を用いて頭のてっぺんから足の先まで丁寧に診察して診断をつけます。

Qualifications[資格等]
    医師の専門性資格(医政総発0124第1号通知に準ずるもの)
  • 日本内科学会 総合内科専門医・指導医
  • 日本神経学会 神経内科専門医・指導医
  • その他資格等
  • 日本脳卒中学会 専門医
  • 高知大学医学部老年病科臨床教授

部長 細見 直永 Naohisa Hosomi

Field[得意分野]

脳卒中の急性期診療に加え、高血圧・脂質異常症・糖尿病・全身の動脈硬化症や血栓症などへの介入を通じて、脳卒中の発症や再発の予防に努めた診療をいたします。

Message[患者さんへのメッセージ]

一度発症してしまうと重度の後遺障害を残すこともある脳卒中ですが、予防することが可能です。患者さん毎に合わせた最適な発症・再発予防方法をご相談させていただきながら見出していきます。お気軽にご相談ください。

Qualifications[資格等]
    医師の専門性資格(医政総発0124第1号通知に準ずるもの)
  • 日本内科学会 総合内科専門医
  • 日本神経学会 神経内科専門医・指導医
  • 日本老年医学会 老年病専門医・指導医
  • 日本循環器学会 循環器専門医
  • 日本リハビリテーション医学会 リハビリテーション科専門医・指導医
  • その他資格等
  • 日本脳卒中学会 専門医・指導医
  • 日本動脈硬化学会 指導医
  • 日本医師会 認定産業医
  • 医学博士(香川医科大学大学院-1996年)
  • Fellow of American Heart Association
  • Fellow of European Stroke Organization
  • Fellow of World Stroke Organization

部長 葛目 大輔 Daisuke Kuzume

Field[得意分野]

主として脳梗塞やGuillain-Barre症候群、痙攣発作などの急性期脳神経内科的疾患の診療、及びパーキンソン病などの神経変性疾患、成人のてんかんの外来診療を中心に診療しています。

Message[患者さんへのメッセージ]

昔、脳神経内科疾患は「なおらないか」と言われていましたが、医学の発展により徐々に治療が可能な疾患が増えていきました。しかし、その多くの疾患に「特効薬」はなく、看護・介護などの「ケアcare」が主体です。今後とも一緒に頑張っていきましょう。

Qualifications[資格等]
    医師の専門性資格(医政総発0124第1号通知に準ずるもの)
  • 日本内科学会 総合内科専門医・指導医
  • 日本神経学会 神経内科専門医・指導医
  • 日本老年医学会 老年病専門医
  • その他資格等
  • 日本神経学会 代議員
  • 日本老年医学会 代議員
  • 日本脳卒中学会 脳卒中専門医
  • 日本認知症学会 認知症専門医・指導医

森本 優子 Yuko Morimoto

Field[得意分野]

脳神経内科一般 (脳卒中、それにともなう生活習慣病、パーキンソン病などのパーキンソン関連疾患、筋萎縮性側索硬化症や重症筋無力症などの神経難病、脳炎、髄膜炎、末梢神経障害など)

Message[患者さんへのメッセージ]

脳神経内科医の少ない高知県で、少しでも患者さんの役に立てればと思っています。手足の動かしにくさやしびれなどでお困りの方は一度脳神経内科の受診も考えて頂ければ幸いです。

Qualifications[資格等]
    その他資格等
  • 日本内科学会 認定内科医

吉田 剛 Takeshi Yoshida (リウマチ・膠原病内科科長)

Field [得意分野]

リウマチ膠原病内科、脳神経内科。
特に、自己免疫性神経疾患と膠原病の神経筋合併症の診療を最も得意としています。

Message[患者さんへのメッセージ]

微力ながら高知県の医療の発展に尽力いたしますので、なにとぞよろしくお願い申し上げます。

Qualifications[資格等]
    医師の専門性資格(医政総発0124第1号通知に準ずるもの)
  • 日本内科学会 総合内科専門医・指導医
  • 日本リウマチ学会 専門医
  • 日本神経学会 神経内科専門医
  • その他資格等
  • 日本臨床神経生理学会 専門医(筋電図・神経伝導)
  • 日本内科学会 認定内科医
  • 臨床研修指導医
  • ECFMG Certificate

非常勤 金子 恵子 Keiko Kaneko

Field[得意分野]

脳神経内科、認知症を専門としています。

Message[患者さんへのメッセージ]

難病とされる病気が多い脳神経内科ですが、患者さんの生活により沿った治療をしたいと考えています。

Qualifications[資格等]
    医師の専門性資格(医政総発0124第1号通知に準ずるもの)
  • 日本神経学会 神経内科専門医
  • その他資格等
  • 日本認知症学会 認知症専門医・指導医
  • 日本内科学会 認定内科医
  • 日本医師会 認定産業医
  • 認知症サポート医

主な疾患と治療方法

脳卒中

この病気は昔、中気あるいは中風と言われた病気で、突然体の半身が動かなくなったり、言葉が出ないあるいは滑舌が悪くなります。多くの人はこのような典型的な症状がみられますが、病変部によっては反応だけが悪くなったり、めまい・ふらつきのみだったり、ものが二つに見えたり、口のまわりや顔だけがしびれたり、一方の足や手だけが動かなくなることもあります。このような非典型的な症状の時は様子を見る患者さんが多く、診断が遅れることがあります。しかし、脳卒中は後遺症が残ることが多く、すぐに受診していただくと後遺症なく回復することもあります。
当院では24時間対応の診療体制で、入院となった場合には「SCU(ストロークケアユニット)」という専門病棟に入院していただき、リハビリ、栄養部、薬剤部などの多職種のスタッフが連携を取りながら集中的に治療を行います。
脳卒中診療は“いかに早く治療を開始するか”という時間との争いになります。上記のような症状が急に出現して、いつもの体と違っていたら、救急外来を受診してください。

けいれん・てんかん

ヒトは一生のうち1度はケイレンを起こすといわれています。ケイレンの多くは原因不明で再発することはありませんが、その中に「てんかん」が隠れていることがあります。特に再発を繰り返す時はてんかんの可能性が高くなります。
てんかんというと手足が震えるケイレン性疾患と思われがちですが、てんかんの約半数はケイレンのない意識障害といわれています。特に、高齢者では一過性に意識が途切れたり、反応が悪くなります。最近では、「認知症の中にてんかんが隠れている」ともいわれるようになってきました。反応がいつもと違ったら脳神経内科を受診してください。
けいれん性疾患の大事なことは、「てんかん」を除外することです。てんかんであれば専門家を受診して、発作型あるいは脳波所見に応じた抗てんかん薬を内服することが重要になります。抗てんかん薬の進歩には目覚ましいものがあります。上記のような発作があればてんかん診療を専門にした医師のいる当科を受診してください。

パーキンソン病、脊髄小脳変性症(SCD)、筋萎縮性側索硬化症(ALS)など

脳神経内科の診療する疾患の中で慢性的に進行する疾患が多くあり、その代表的なものとして「神経変性疾患」といわれる疾患群があります。いずれの疾患も数ヶ月から数年単位で手足に力が入りにくくなったり(ALS)、滑舌が悪くなり酔っ払いのようなふらつく歩行になったり(SCD)、動作が鈍くなったり手足が震えたり(パーキンソン病)します。
このような神経難病の多くを占める神経変性疾患は、専門医が診察しないと長年にわたって見逃されることがあります。ビンやふたが開けられなくなったり、トイレや風呂などの日常生活に時間がかかるようになったり、あるいは真っ直ぐに歩けなかったり、滑舌が悪くなっていくようなら受診してください。

ふるえ

脳神経疾患の中で最も多い訴えは「手や頭、あるいは足が震えること」という統計があります。ふるえで受診する患者の20%程度は良性で、進行もしないがほぼ一生内服を続ける必要のある本態性振戦症のことがあります。手が震えて字がうまく書けなかったり、コップ等の食器を持ったとき震えてお困りの方は、まず受診してください。

しびれ

しびれの原因疾患はたくさんあります。しびれの診断では「どのように始まり、どのように進行したか」の病歴や診察所見が重要になります。そして、神経伝導速度検査でメドをつけて次の診断や治療に進みます。
しびれは非常に多い訴えで原因不明なことも多いですが、治療可能な疾患もありますので受診されることをお勧めします。

新たな取り組みと治療方法

SCU(stroke care unit)の能力アップ

SCU病棟の運用は脳神経外科と協力して順調に行われており、稼働率・算定率は年々改善しています。また、超急性期脳卒中治療のt-PA治療が定着して症例数も増加しています。さらに、t-PA無効例の多くは脳神経外科に依頼し、血栓回収療法を行い良好な結果を得ています。入院ベッド数が高知県で一番に多いSCU病棟として、呼吸器装着などより重症の脳卒中患者を早期から受け入れられるように、今後はスタッフ教育、多職種との連携などチーム医療の充実を進めてまいります。

脳卒中の市民啓発運動

脳卒中患者で発症後、数日して受診する患者さんが未だに散見されます。全国的にt-PAの対象患者の5~8%程度しか実施されていないという現況と、脳卒中診療では早期診断・早期加療が最優先されるという観点から、市民のみなさまに啓発運動をしていくことが重要と捉えています。特に、TIA(一過性脳虚血発作)の重要性と、t-PA投与時間制限が緩和になったことなどについて重点的に啓発してまいります。

地域連携の拡充

発症時から、患者であると同時に障害者であることの多い神経疾患では、医療ソーシャルワーカーを中心に多職種が参加して、神経難病ネットワークや脳卒中地域連携パスを通じた回復期病院、療養型病院および開業医との連携を深め、地域で完結する神経診療体制の構築と連携の深化を図る必要があります。大病院から地域包括診療という国の医療施策の流れに沿って、地域中核病院や診療所との連携を重要視してまいります。

てんかん診療の拡充

絶対数が多く、救急搬送されることの多いケイレンやてんかんの患者数は年々増加していますが、高知県ではてんかん診療の専門家が少ない現状が続いています。成人のてんかん診療においては、専門家のいる当院が高知県のてんかん診療の中心を担っていかざるを得ない状況であります。今後はてんかん診療の若手医師を育てていくことが課題です。

診療実績

脳神経内科入院患者の推移

2016年

  • 2016年 2017年 2018年
    脳梗塞 325 266 290
    ケイレン・てんかん 137 113 113
    神経変性疾患 72 92 44
    ギラン・バレー症候群 11 9 9
    その他 284 169 186