2024年度DPC病院指標

令和6年度 近森 病院情報の公表

病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
    入院中の主な傷病名と、主な治療内容(手術、投薬、処置、検査等)の組合せによって分類(DPCコード)した患者数を示しています。
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞の患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
    入院中に行われた手術を、診療報酬請求に用いられる手術コード(Kコード)別に集計し、手術件数を示しています。
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)

医療の質指標

  1. リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率
  2. 血液培養2セット実施率
  3. 広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率
  4. 転倒・転落発生率
  5. 転倒転落によるインシデント影響度分類レベル3b以上の発生率
  6. 手術開始前1時間以内の予防的抗菌薬投与率
  7. d2(真皮までの損傷)以上の褥瘡発生率
  8. 65歳以上の患者の入院早期の栄養アセスメント実施割合
  9. 身体的拘束の実施率
年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード
年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 16 148 126 184 468 913 1651 3288 3118 1021
・集計条件(全指標共通)
各指標の集計は2024年6月1日から2025年5月31日までの期間に退院された患者さんを対象としています。労災、自賠責、治験等の患者さんは集計対象外となります。

・年齢階級別退院患者数
2024年度に退院した患者さんを対象とし、一般病棟に入院した時点の年齢で集計しています(10歳刻み)。退院患者数は10,933人で、平均年齢は72.6歳(男性70.7歳、女性74.9歳)でした。65歳以上の患者さんの割合は76.4%、75歳以上は54.9%でした。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
救急科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
161070xxxxx00x 急性薬物中毒の治療 (過量服薬等) 48 6.21 3.58 4.17 42
160100xx99x00x 頭蓋・頭蓋内損傷の保存的治療 (頭部打撲傷等) 23 3.74 7.99 17.39 56.83
161060xx99x0xx アナフィラキシーショックの治療 21 4.14 2.63 0 53.38
160100xx97x00x 頭蓋・頭蓋内損傷の治療 (頭部挫創等、縫合処置あり) 18 3.83 9.83 22.22 75.39
160400xx99x0xx 胸郭・横隔膜損傷の保存的治療 (肋骨骨折等) 10 4.3 9.39 20 77.9
近森病院は開院当初から救急医療に力を入れており、2011年には救命救急センターに指定され、高知県の救急医療の中心的な役割を果たしています。2005年からは救急の専従医師を配置し、現在12名の救急科専従医師が各診療科の医師とともに救急医療にあたっています。専従医師は心肺蘇生や外傷初期診療などに精通しており、脳卒中や心血管疾患、複数診療科にまたがるような重症症例、多発外傷などあらゆる救急疾患の初期治療に対応しています。また、2018年度からは外来診療のみならず、心肺停止蘇生後、重症多発外傷、敗血症、重症肺炎などに対して各診療科と協力しながら集中治療管理(病床管理)も行っています。
循環器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050070xx03x0xx 頻脈性不整脈の高周波カテーテルアブレーション治療 502 5.78 4.47 0.8 71.88
050050xx9920xx 狭心症、虚血性心疾患などの心臓カテーテル検査 + 血管内超音波検査、冠動脈血流予備能測定検査等 339 4.24 3.27 1.77 72.14
050050xx0200xx 狭心症、虚血性心疾患などの冠動脈カテーテル治療 299 6.54 4.18 0 73.82
050050xx9910xx 狭心症、虚血性心疾患などの心臓カテーテル検査 253 4.03 3.07 0.4 73.04
050130xx9900x0 心不全の治療 (人工呼吸器管理なし) 181 15.94 17.33 15.47 84.98
各種不整脈に対する高周波カテーテルアブレーション治療が最も多く、2位・4位は狭心症、虚血性心疾患などに対する治療前・治療後の心臓カテーテル検査入院、3位は狭心症、虚血性心疾患などに対する冠動脈カテーテル治療となっています。この他にも、全身各部位の動脈硬化性病変に対して末梢血管形成術やステント留置術、大動脈瘤に対する経皮的大動脈ステント内挿術、徐脈性不整脈に対するペースメーカー植え込み術、致死性不整脈に対する埋め込み型除細動器(ICD)、心不全に対する心臓再同期療法も行っています。2014年には、経カテーテル大動脈弁植え込み術(TAVI) の実施施設に認定され、2024年12月迄に821例に施行し、良好な成績です。成人の循環器疾患に対しては、ほとんどの疾患に対応できる体制が整っています。
消化器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060340xx03x00x 胆管結石、胆管炎などの内視鏡的治療(ERCP) 310 12.06 8.88 7.74 77.61
060100xx01xxxx 大腸ポリープの内視鏡的ポリープ粘膜切除術(EMR) 162 4.56 2.57 1.85 71.88
060210xx99000x イレウス、腸軸捻転の治療 66 10.24 9.08 1.52 74.12
060190xx99x0xx 急性虚血性腸炎の治療 65 8.66 8.51 1.54 71.88
060140xx97x0xx 急性出血性胃潰瘍の内視鏡的消化管止血術 58 11.17 10.93 15.52 75.38
消化器内科では、消化管、肝臓、胆膵疾患の診断・治療を担当しており、救急から専門的治療まで幅広く行っており、救急疾患としては、消化管出血、胆管炎、急性膵炎などが多く、緊急内視鏡による止血術や内視鏡的胆管ドレナージを行っています。特に高齢者の総胆管結石による胆管炎が増加しており、胆膵疾患に対する内視鏡的治療(ERCP)件数が増加し、中四国でも有数の症例数となっています。2番目に多い症例は大腸ポリープに対する内視鏡的ポリープ粘膜切除術となっています。また、早期の胃癌、大腸癌、食道癌に対しては内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)を行っています。炎症性腸疾患の症例数は増加傾向であり、当院でも専門医を中心に多くの症例を診療しています。ウイルス性肝炎に対しては、経口抗ウイルス剤による治療を行っており、特にC型肝炎・肝硬変では99%以上の患者さんでウイルスを排除できています。肝癌に対しては、病態に応じて放射線科、外科と連携して治療を行っており、経カテーテル的肝動脈化学塞栓療法(TACE)や経皮的ラジオ波焼灼療法(RFA)、免疫化学療法などを行っています。
脳神経内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010060xx99x40x 脳梗塞のエダラボン療法 (脳保護療法) 65 14.71 16.89 44.62 76.89 脳卒中連携パス
010230xx99x00x てんかん 44 12.18 6.89 9.09 55.82
010060xx99x20x 脳梗塞 16 16.19 16.94 50 77.94 脳卒中連携パス
010110xxxxx40x ギランバレー症候群、慢性炎症性脱髄性多発神経炎の免疫グロブリン療法(IVIg療法) 14 14.86 15.45 35.71 62.86
010130xx99x4xx 重症筋無力症の免疫グロブリン療法(IVIg療法) - - 15.11 - -
※10症例未満は個人情報保護のため-(ハイフン)を表示しています

当脳神経内科は複数の神経内科専門医を擁している。その入院患者の内訳は、神経救急疾患とされる脳梗塞などの脳血管障害、けいれん・てんかん、神経免疫疾患、中枢神経感染症による入院が上位を占めている(*)。脳梗塞や一過性脳虚血発作患者の再発予防に向けた原因精査なども積極的に行っており、トルソー症候群、抗リン脂質抗体症候群なども多数診断し、至適な再発予防に結びつけている。回復期リハビリテーション病院との連携を強化し、在院日数の短縮に努めている。

* DPCでは脳梗塞、てんかんなどは複数に区分されており、それぞれDPC区分としての一区分が表示されています。したがって、決して全体像が表現されているわけではありません。

当科の診療内容の詳細は年報をご覧ください。

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呼吸器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040040xx9910xx 肺癌診断の気管支鏡検査 (経気管肺生検法) 72 4.47 3.03 1.39 76.53 気管支内視鏡検査(前日入院用)
気管支内視鏡検査(当日入院用)
040040xx99040x 肺癌の化学療法 39 8.33 8.16 0 74.49
040040xx990Axx 肺癌の化学療法 (オプジーボ、キイトルーダ、テセントリク、イミフィンジ) 22 15.45 9.78 13.64 76.09
0400802499x0xx 細菌性肺炎、気管支炎の治療 (市中肺炎、75歳以上) (人工呼吸管理なし) 22 14.68 16.4 9.09 84.09
040110xxxx00xx 間質性肺炎の治療 (人工呼吸管理なし) 17 23.88 18.68 17.65 82.53
急性期救急病院という背景、また高知県の超高齢化を反映し、呼吸器感染症の症例が多くなっていると考えられる。いずれの指標においても、平均在院日数で全国の平均より長い傾向が認められる。この背景には、当院の入院患者は高齢者が多く、基礎疾患を複数有する例が多いことが関係していると考えられます。
気管支鏡検査に関しても全国平均を上回っている要因として、当院は既往に虚血性心疾患や脳血管障害をもたれている患者様の検査を行う事が多く、その際に抗凝固薬の中止や必要に応じて他剤(ヘパリンなど)への一時的な切り替えを行った上で検査を行う事も少なくなく、そのために入院期間が長くなることが多い例もあると考えられます。
リウマチ・膠原病内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
070560xxxxx00x 全身性臓器障害を伴う自己免疫性疾患(膠原病)の治療 22 19.45 14.93 4.55 64.95
070560xxxxx90x 全身性臓器障害を伴う自己免疫性疾患(膠原病)の免疫グロブリン療法(IVIg療法) 10 28.3 22.02 10 70.4
070560xxxxx7xx 全身性臓器障害を伴う自己免疫性疾患(膠原病)の治療(リツキサン) - - 12.42 - -
070470xx99x0xx 関節リウマチの治療 - - 15 - -
040110xxxx00xx 膠原病性間質性肺炎の治療 (人工呼吸管理なし) - - 18.68 - -
※10症例未満は個人情報保護のため-(ハイフン)を表示しています

当院を受診される患者さんの中には、不明熱や肺・腎臓などの臓器障害をお持ちの方がおられ、中にはリウマチや膠原病が原因で発症している患者さんが含まれています。リウマチ、膠原病診療で何かお役にたてるようでしたらご連絡頂きましたら嬉しく存じます。現在、我々には幅広い診療が要求されており、入院診療でも外来診療でもリウマチサポートチームが多大な知識や能力を発揮しています。親切なスタッフばかりですので、お気軽にご心配なくお声をかけて頂きたく思います。皆様方のご健康のお役にたちましたらうれしい限りです。
血液内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
130010xx99x5xx 急性白血病の化学療法 (ビダーザ) 18 16.5 9.61 0 86.61
130040xx99x5xx 多発性骨髄腫の化学療法 (エムプリシティ、ダラザレックス、サークリサ、ダラキューロ) 13 16 14.69 0 79.85
130030xx99x7xx 悪性リンパ腫の化学療法 (ベルケイド、レブラミド、トレアキシン、マブキャンパス、イムブルビカ、ベネクレクスタ、ベレキシブル、カルケンス、ジャイパーカ、ブルキンザ) 12 14.83 12.54 0 70
130060xx99x4xx 骨髄異形成症候群の化学療法 (ビダーザ) 12 14.92 9.72 0 85
130030xx99xBxx 悪性リンパ腫の化学療法 (アドセトリス、ポライビー) 10 21.5 12.23 0 76.5
血液内科では白血球、赤血球、血小板といった血液細胞の量的・質的異常や、血液を凝固させたり血栓を溶解させたりする機構(凝固・線溶系)に異常をきたす疾患を扱っており、種々の原因による貧血(鉄欠乏性貧血、悪性貧血、溶血性貧血、再生不良性貧血)、骨髄繊維症、本態性血小板増多症、真正多血症などの慢性骨髄増殖性疾患、骨髄異形成症候群、白血病・悪性リンパ腫・多発性骨髄腫などの造血器腫瘍、紫斑病や血友病などの血栓・止血異常などが主な疾患です。血液疾患の診断や病期の決定には、血液・尿検査、骨髄穿刺・骨髄生検、リンパ節生検、画像診断(CT、 MRI、 PET-CT)、消化管内視鏡検査などを行っています。
腎臓内科・人工透析内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110290xx99x0xx 急性腎不全の治療 (手術なし、血液透析なし) 19 16 13.54 15.79 74.58
110310xx99xxxx 尿路感染症の治療 18 14.56 13.66 16.67 70.5
110280xx9900xx 慢性腎不全の治療 (手術なし、血液透析なし) - - 11.35 - -
110290xx97x0xx 急性腎不全の治療 (手術または輸血あり、血液透析なし) - - 24.73 - -
110280xx9901xx 慢性腎不全の治療 (手術なし、血液透析あり) - - 13.75 - -
※10症例未満は個人情報保護のため-(ハイフン)を表示しています

腎臓内科では血尿や蛋白尿、腎機能低下があるときにその原因を調べ(腎生検など)、その原因となる病気に対して治療をおこない腎臓の機能を悪化させないようにすることや、不幸にして腎機能が高度に悪化し改善が期待できない場合には人工腎臓である透析療法を用いて症状の改善や生命の維持を行います。最近では糖尿病や高血圧、動脈硬化などに伴い徐々に腎臓の働きが悪くなる慢性腎臓病(CKD)の患者さんも大変増えています。それらの患者さんに適切な投薬や食事のアドバイスを行うことも腎臓内科として重要な仕事の一つとなっています。
当院では腎生検から腎炎の治療、血液透析、腹膜透析の導入まで腎臓の働きが悪くなる予防から、その進行を止めること、悪くなった後の透析治療の開始、そしてその後の透析合併症の治療まで一貫して対応できる体制であり、常にその質の向上に努めています。
総合内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
10007xxxxxx1xx 2型糖尿病のインスリン療法 26 11.38 13.77 7.69 62.38
110310xx99xxxx 尿路感染症の治療 10 19.6 13.66 20 81.7
100393xx99xxxx その他の体液・電解質・酸塩基平衡障害の治療(高ナトリウム血症、低ナトリウム血症など) - - 9.83 - -
040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎の治療 (人工呼吸管理なし) - - 20.78 - -
0400802299x001 細菌性肺炎や気管支炎の治療 (市中肺炎、15歳以上65歳未満、中等症)(人工呼吸管理なし) - - 9.71 - -
※10症例未満は個人情報保護のため-(ハイフン)を表示しています

総合内科の入院診療においては、疾患別では尿路感染症、高齢者の誤嚥性肺炎などが多く、低ナトリウム血症などの電解質異常や糖尿病性ケトアシドーシスなどの糖尿病関連疾患の患者さんを担当しています。当院は内科に関しては全ての専門領域の専門医が揃っており、総合内科が受け持つ疾患はどの診療科領域にも当てはまらないものが多いのが特徴です。
整形外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160800xx02xxxx 大腿骨頚部骨折の骨折観血的手術、人工骨頭挿入術 212 22.61 25.29 88.21 81.51 大腿骨頚部骨折(人工骨頭)
070343xx02x0xx 腰部脊柱管狭窄症の内視鏡下椎弓形成術 79 8.28 11.25 5.06 75.22 経皮的全内視鏡下脊椎手術(FESS)
070230xx01xxxx 変形性膝関節症の人工関節置換術(TKA・UKA) 73 12.51 21.38 97.26 76.81 全人工膝関節置換術(TKA)
単顆型人工膝関節置換術(UKA)
07040xxx01xxxx 変形性股関節症の人工関節置換術(THA) 69 12.71 18.76 92.75 72.36 人工股関節置換術(THA)
160850xx01xxxx 足関節・足部骨折の骨折観血的手術 62 15.68 17.84 61.29 58.26
上位2症例の平均年齢は75歳を超えており、高齢者の手術が外傷・慢性疾患ともに増加し、多発外傷も高齢者に多く発生する傾向が見られます。慢性疾患では膝・股関節とも人工関節手術が徐々にではありますが増加しています。平均在院期間は2週間程度と短いですが、術後のリハビリテーションが必要な症例については、グループの近森オルソリハビリテーション病院や他の地域の医療機関と密に連携をとり、急性期から亜急性期、回復期のリハビリテーションを含めた一貫した入院診療体制をとっています。

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脳神経外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010060xx99x40x 脳梗塞のエダラボン療法 (脳保護療法) 55 13.09 16.89 56.36 74.44
010040x099000x 脳内出血の保存的治療 (非外傷性)(JCS10未満) 48 16.71 18.68 79.17 71.27
160100xx99x00x 頭蓋・頭蓋内損傷の保存的治療 (頭部打撲傷等) 35 9.51 7.99 37.14 76.66
010060xx99x20x 脳梗塞の治療 28 19.5 16.94 60.71 81.71
010060xx99x50x 脳梗塞のt-PA療法 (血栓溶解療法) 28 13.07 18.52 50 76.39
救急患者が多いため脳卒中患者、頭部外傷患者を多く診療しています。年間500名以上の脳卒中を脳神経外科と脳神経内科で治療しており、出血性脳卒中を脳神経外科で、虚血性脳卒中を脳神経内科と脳神経外科で治療しています。脳梗塞急性期治療では、24時間365日いつでも神経系を専門とする医師が常駐しており、24時間tPAが投与できる体制になっており、2024年度は77件行っています。また、tPA無効例やtPA適応外症例に対しての血管内再開通療法も行える、県内では数少ない施設の一つです。手術件数は増加しており、クリッピング術、頸動脈内膜剥離術、腫瘍摘出術、血腫除去術等、血管内治療では頸動脈狭窄に対するステント留置術(CAS)、脳動脈瘤に対するコイル塞栓術、また急性期脳主幹動脈閉塞病変に対する血管内再開通療法を行っています。

注)患者数について
上記患者数は、以下の理由から、同一期間における実際の症例数より、少ない件数となっています。
・労災、自賠責、自費、治験、出来高算定患者等は集計対象外
・複数の傷病に対して治療を行った場合、医療資源を最も投入した傷病で集計する
・転科や共診など複数の診療科が治療を行った場合、医療資源を最も投入した傷病の担当科で集計する
心臓血管外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050080xx02010x 弁膜症の経カテーテル的大動脈弁置換術(TAVI) 87 9.52 14.74 11.49 84.02 心臓血管外科術前
心臓大血管手術
050080xx0101xx 弁膜症の弁置換術、弁形成術 25 10.96 20.84 12 68.76 心臓血管外科術前
心臓大血管手術
050163xx03x1xx 胸部・腹部大動脈瘤(非破裂性)のステントグラフト内挿術 22 10.91 14.96 22.73 81.23 心臓血管外科術前
心臓大血管手術
050161xx01x1xx 急性大動脈解離の大動脈瘤切除術 又は オープンステントグラフト内挿術 19 17.47 29.35 26.32 66 心臓血管外科術前
心臓大血管手術
050163xx02x1xx 腹部大動脈瘤(非破裂性)の大動脈瘤切除術 17 8.71 18.74 17.65 74.18 心臓血管外科術前
心臓大血管手術
2024年の年間手術症例数は505例でした。心臓・大血管手術は286例でした。

■心臓手術…230例(うち、TAVI 139例)
■胸部大動脈…56例
■腹部大動脈…34例
■末梢血管…154例
■その他…31例
 (2024/1~2024/12 抽出データ)

参考)1位のTAVI 87例は、同一入院期間中に大動脈内バルーンパンピング、経皮的心肺補助法、血液透析等を行った場合、他のDPC14桁に分類されるため、実際の件数よりも少ない件数となります(2位以下も同様です)。

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年間手術件数
消化器外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060335xx0200xx 胆のう炎の腹腔鏡下胆嚢摘出術 155 7.43 7.05 3.23 67.54 腹腔鏡下胆嚢摘出術(緊急)
腹腔鏡下胆嚢摘出術(予定)
060160x001xxxx 鼠径ヘルニアの手術 (開腹、鏡視下) 95 4.32 4.54 5.26 73.71 鼠径ヘルニア修復術
060035xx0100xx 結腸癌の結腸切除術 (開腹、鏡視下) 44 9.75 14.81 6.82 76.41 大腸切除術
060150xx03xxxx 虫垂炎の虫垂切除術 (開腹、鏡視下) 43 5.33 5.32 0 50.67 虫垂切除術(緊急)
虫垂切除術(予定)
060210xx9700xx イレウス、腸軸捻転の手術 (ヘルニアを伴わない) (開腹、鏡視下) 29 11.83 14.13 20.69 74.34
 消化器外科では、消化器領域の良性、悪性疾患に対する手術、化学療法を行っています。また外傷による腹部臓器損傷に対する治療も行っております。2024年の総手術件数は705件で年々増加してきています。
 悪性腫瘍に対する手術では、結腸癌に対する手術は増加しています。また胃癌は罹患率が低下してきていますが、手術件数は増加しています。
 当院は救急医療に力を入れていることもあり、総手術数に対する緊急手術の割合は4割と高い割合になっています。その中でも急性胆嚢炎、急性虫垂炎、汎発性腹膜炎、腸閉塞手術の順で多かったです。

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泌尿器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
11012xxx02xx0x 尿路結石症の経尿道的尿路結石砕石術(TUL) 71 5.85 5.16 1.41 65.76 経尿道的尿管砕石術(TUL)
110070xx03x0xx 膀胱癌の経尿道的手術(TUR-Bt) 52 6.92 6.81 1.92 76.48 経尿道的膀胱腫瘍切除術(TURBT)
11012xxx01xx0x 尿路結石症の経皮的経尿道的同時砕石術(ECIRS) 25 8.72 10.41 0 62.4 経皮・経尿道併用結石破砕術(ECIRS)
11012xxx97xx0x 尿路結石症の経尿道的尿管ステント留置術、経皮的腎瘻造設術 22 10.73 7.3 13.64 74.23
11001xxx01x0xx 腎癌の腹腔鏡下腎悪性腫瘍手術 17 11.76 10.12 0 65.41 腹腔鏡下根治的腎全摘出術
腹腔鏡下腎部分切除術
泌尿器科は、外科的疾患、内科的疾患を含む専門領域であり、診断から治療(薬物療法、手術療法など)までを一貫して行います。患者さんの内訳では、ER(救命救急センター)を持つ病院として、尿路結石症や外傷などの泌尿器科救急患者や地域連携室経由の悪性腫瘍の紹介患者も多いのが最大の特徴です。また、前立腺肥大症、尿路性癌、腎癌、膀胱癌に対する手術も施行しています。
形成外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160200xx030xxx 鼻骨骨折の手術 22 3.27 3.31 0 28 鼻骨骨折整復術
070395xx970xxx 壊死性筋膜炎の手術(四肢切断術、断端形成術、デブリードマン等) 14 38.57 35.4 71.43 72
070071xx97xxxx 急性化膿性骨髄炎の手術(骨掻爬術、断端形成術等) 12 15 33.46 0 70
160200xx020xxx 頬骨骨折の手術 - - 5.98 - - 頬骨骨折整復術
100100xx97x0xx 皮膚潰瘍の手術(デブリードマン、創傷処理等) - - 24.47 - -
※10症例未満は個人情報保護のため-(ハイフン)を表示しています

形成外科は、皮膚、軟部組織を中心に頭の先から足の先まで扱います。特に頭蓋・顎・顔面領域では頭蓋顔面骨、体幹では胸骨肋骨の変形など全身が守備範囲です。①外傷(熱傷・凍傷・化学損傷・電撃傷の手術症例、顔面軟部組織損傷、顔面骨折、頭部・頸部・体幹の外傷、上肢の外傷、下肢の外傷、外傷後の組織欠損(2次再建))、②先天異常(唇裂・口蓋裂、頭蓋・顎・顔面の先天異常、頸部の先天異常、四肢の先天異常、体幹(その他)の先天異常)、③腫瘍(良性腫瘍(レーザー治療を除く)、悪性腫瘍、腫瘍の続発症、腫瘍切除後の組織欠損(一次再建)、腫瘍切除後の組織欠損(二次再建))、④瘢痕・瘢痕拘縮・ケロイド、⑤難治性潰瘍(褥瘡、その他の潰瘍)、⑥炎症・変性疾患(蜂窩織炎、眼瞼下垂、陥入爪、腋臭症など)、⑦美容(手術)、⑧その他(性同一性障害、ブラッドアクセス、分類不能など)などの診療を行っています。急性期では外傷が多く、顔面骨骨折を含めた顔面外傷や四肢の外傷、熱傷、瘢痕拘縮、ケロイドなど多くの手術や保存的治療を行っています。

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呼吸器外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040040xx02x0xx 肺癌の胸腔鏡下手術 35 5.2 9.82 0 74.11 肺葉肺区域切除
肺部分切除術
040200xx01x00x 自然気胸の胸腔鏡下肺切除術 (肺炎なし) 12 10.08 9.59 0 40.75 自然気胸
040010xx01x0xx 縦隔悪性腫瘍、悪性胸腺腫の胸腔鏡下手術 - - 8.41 - - 縦隔腫瘍手術
040040xx97x00x 肺癌の胸腔鏡下試験開胸術 - - 11.12 - -
040200xx01x01x 自然気胸の胸腔鏡下肺切除術 (肺炎あり) - - 21.82 - - 自然気胸
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呼吸器外科の対象疾患は肺癌を中心に、肺・縦隔の良性・悪性腫瘍、自然気胸、手掌多汗症など、呼吸器疾患全般を扱っています。手術にあたっては、胸腔鏡を用いた低侵襲手術を行っています。肺癌に対する胸腔鏡下手術の入院期間の中央値は5日です。
乳腺外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
090010xx010xxx 乳癌 悪性腫瘍手術等 62 10.71 9.77 0 61.32 乳房温存+腋窩郭清
乳房切除+センチネルリンパ節生検
乳房切除+腋窩郭清
乳房切除(TE挿入)+センチネルリンパ節生検
090010xx02xxxx 乳癌 乳房部分切除術(腋窩部郭清なし) 47 3.49 5.5 2.13 59.21 乳房温存+センチネルリンパ節生検
090020xx97xxxx 乳腺良性腫瘍 乳腺腫瘍摘出術等 11 2.09 3.94 0 57
090010xx99x0xx 乳癌 手術なし 化学療法なし 10 3.6 9.75 30 62.9
090010xx99x4xx 乳癌 手術なし 化学療法あり(ジェムザール、タキソテール、タキソール、エンドキサン+ファルモルビシン) - - 3.64 - -
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良性疾患から乳癌まですべての乳腺疾患の診断・治療に対応します。腫瘤の良悪性の鑑別には超音波など画像ガイドの針生検を行いますが、不必要な針生検を避けるために正確な画像診断を行います。また、乳癌手術では整容性の高い乳房温存や腕のリンパ浮腫を避けるためのセンチネルリンパ節生検など低侵襲手術を推進します。薬物にはホルモン療法・抗癌剤・分子標的薬がありますが、術前・術後や進行再発など治療のタイミングと乳癌のタイプに合った過不足のない治療を選択し。チームで支援して高い確率で治療を完遂します。また、がんの症状や治療の副作用を低減する緩和ケア、乳癌発症リスクが高い遺伝性腫瘍の診療にも対応します。
皮膚科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
080010xxxx0xxx 蜂窩織炎の抗菌薬治療 - - 12.98 - -
080020xxxxxxxx 帯状疱疹の抗ウイルス剤治療 - - 9.33 - -
080190xxxxxxxx 脱毛症の治療 - - 3.29 - -
080100xxxx0x0x 薬疹、中毒疹の治療 - - 10.13 - -
080110xxxxx0xx 水疱症の治療 - - 28.94 - -
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外来診療が主体ですが、帯状疱疹や蜂窩織炎(皮膚の細菌感染症)などは入院での加療を行っています。
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード
初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 70 - 16 21 - - 1 第8版
大腸癌 34 30 42 30 - - 2 第9版
乳癌 56 39 10 - - - 1 第8版
肺癌 23 18 11 66 65 54 1 第8版
肝癌 14 20 13 15 - 77 2 第6版
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
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※病期分類基準 1:UICC TNM分類、 2:癌取扱い規約


・指標の説明
 5大癌の患者数を示しています。胃癌、乳癌、肺癌では癌の進行度を判定する基準として、国際的に用いられている国際がん対策連合(UICC)の『UICC TNM分類』を、大腸癌、肝癌では国内の関連学会・研究会が編集した『癌取扱い規約分類』を用いてステージ毎の患者数を集計しています。当院において癌の診断、初回治療を行った症例を「初発」として、stageⅠ~stegeⅣ(stageⅣが最も進行した状態)に分類し、初回治療以降に継続治療を行った症例を「再発」としています。集計期間内に同一患者さんが複数回入院した場合には、1件ではなく、入院回数分カウントしています。

 胃癌は、stageⅠの早期発見が多く、大腸癌は、StageⅡ、Ⅲ、Ⅳの進行した状態での診断および治療開始となる症例が多く、乳癌は、StageⅠ、Ⅱが多く、肺癌は、StageⅣの進行癌が多く、肝癌は、他の部位と比べて再発症例の割合が多くなっています。
成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード
患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症 27 9.67 58.15
中等症 102 14.32 76.48
重症 26 17.77 81.31
超重症 16 26.88 81.13
不明 - - -
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・指標の説明
肺炎の発症を契機として入院された患者さんのうち、15歳以上の市中肺炎につき日本呼吸器学会「成人市中肺炎診療ガイドライン」の重症度分類毎に患者数、平均在院日数、平均年齢を示しています。

・市中肺炎
病院外で普段の社会生活を送っている中で発症した肺炎であり、入院中に合併する院内肺炎と区別されます。

・肺炎の重症度分類
以下の5項目を各1点とし、5点満点で評価されます。
 1. 男性 70 歳以上、女性 75 歳以上
 2. BUN 21 mg/dL 以上または脱水あり
   ※BUN:血液中の尿素窒素を測定し、腎・肝機能を調べる検査
 3. SpO2 90%以下( PaO2 60Torr以下)
   ※SpO2:動脈に含まれる酸素の飽和度
 4. 意識障害あり
 5. 血圧(収縮期)90 mmHg以下

 軽症:0点   中等症:1~2点   重症:3点   超重症:4~5点

軽症15.8%、中等症59.6%、重症15.2%、超重症9.4%となっており、重症度が高くなるにつれて年齢は高く、入院日数は長くなる傾向にあります。
脳梗塞の患者数等ファイルをダウンロード
発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
3日以内 297 18.53 78.94 53.73
その他 25 17.24 75.32 4.04
・指標の説明
入院中に治療した主な傷病名が脳梗塞の患者さんを、その発症から入院日までの日数別に症例数、平均在院日数、平均年齢、転院率を示しています。

約9割の患者さんが発症日から3日以内に受診されています。当院で約20日間の治療およびリハビリを行い、そのうちの約6割の患者さんが、グループの近森リハビリテーション病院や他の医療機関の回復期リハビリテーション病棟等に転院し、リハビリを継続されています。
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
循環器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K5951 高周波カテーテルアブレーション治療 心房中隔穿刺又は心外膜アプローチを伴うもの (頻脈性不整脈) 484 1.44 2.89 0.83 72.59
K616 四肢の血管内治療 (下肢閉塞性動脈硬化症、重症下肢虚血) 324 6.58 16.18 24.38 76.32
K5493 経皮的冠動脈ステント留置術(その他のもの) (労作性狭心症、陳旧性心筋梗塞) 161 3.4 4 2.48 73.07
K5972 ペースメーカー移植術 経静脈電極の場合 (徐脈性不整脈) 132 3.24 7.14 8.33 81.73
K5463 経皮的冠動脈形成術(その他のもの) (労作性狭心症、陳旧性心筋梗塞) 95 1.41 2.59 1.05 73.82
冠動脈カテーテル治療の症例が多く、労作性狭心症、陳旧性心筋梗塞161件、急性心筋梗塞84件、不安定狭心症48件のステント留置術や、バルーン拡張術など全て合計すると586件施行しています。この他に、各種不整脈に対する高周波カテーテルアブレーション治療524件、下肢閉塞性動脈硬化症、重症下肢虚血に対する血管内治療324件、徐脈性不整脈に対するペースメーカー移植・交換術170件施行しています。
消化器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 (胆管結石、胆管炎) 321 2.4 11.79 10.59 79.35
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 長径2cm未満 (結腸ポリープ) 145 0.7 1.85 2.76 71.66
K6871 内視鏡的乳頭切開術 乳頭括約筋切開のみのもの (胆管結石、胆管炎) 137 4.91 8.33 11.68 76.61
K654 内視鏡的消化管止血術 (出血性胃・十二指腸潰瘍) 119 2.97 11.62 24.37 75.62
K6852 内視鏡的胆道結石除去術 胆道砕石術を伴わないもの (胆管結石、胆管炎) 82 6.55 6.73 14.63 78.67
胆管炎に対する内視鏡的胆道ステント留置術が321件と最も多く、結腸ポリープに対する内視鏡的ポリープ切除術が175件、出血性胃・十二指腸潰瘍に対する内視鏡的消化管止血術が119件、といずれも100件を超えています。この他に、胆管結石、胆管炎に対する内視鏡的乳頭切開術180件(胆道砕石術を伴うもの43件、乳頭括約筋切開のみのもの137件)、内視鏡的胆道結石除去術160件(胆道砕石術を伴うもの78件、伴わないもの82件)、経皮的胆管ドレナージ術47件、内視鏡的経鼻胆管ドレナージ術14件、肝癌に対する経カテーテル的肝動脈化学塞栓療法57件、肝悪性腫瘍ラジオ波焼灼療法29件、早期胃癌に対する粘膜下層剥離術(ESD)49件、食道静脈瘤に対する内視鏡的食道静脈瘤結紮術27件、食道静脈瘤硬化療法23件施行しています。
整形外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0461 骨折観血的手術 (大腿骨頚部骨折) 145 1.39 20.36 87.59 81.55 大腿骨頚部骨折(安定型)
大腿骨頚部骨折(不安定型)
K142-5 内視鏡下椎弓形成術 (腰部脊柱管狭窄症) 87 1.25 7.02 5.75 74.37 経皮的全内視鏡下脊椎手術(FESS)
K0821 人工関節置換術 (変形性股関節症) 74 1.8 10.81 93.24 72.45 人工股関節置換術(THA)
K0821 人工関節置換術 (変形性膝関節症) 74 1.07 10.53 97.3 76.82 全人工膝関節置換術(TKA)
単顆型人工膝関節置換術(UKA)
K0811 人工骨頭挿入術 (大腿骨頚部骨折) 70 2.04 24.67 87.14 81.21 大腿骨頚部骨折(人工骨頭)
大腿骨頚部骨折に対する手術が215件(骨折観血的手術145件、人工骨頭挿入術70件)と最も多くなっており、平均年齢は80歳を超えています。また、約9割の患者さんがリハビリテーションを継続するため、グループの近森オルソリハビリテーション病院や他の地域の医療機関に転院されます。慢性疾患では膝・股関節とも人工関節手術が増加してきており、膝関節の人工関節置換術は74件で、特に単顆型人工関節の件数が増加しています。股関節の人工関節置換術は74件施行しています。この他にも、四肢の骨折に対する手術、肘、膝の外傷(スポーツ障害等を含む。)に対する関節鏡下手術などを施行しています。

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脳神経外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K178-4 経皮的脳血栓回収術 (心原性脳塞栓症) 51 0.92 25.41 74.51 82.49
K164-2 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術 (外傷性・非外傷性慢性硬膜下血腫) 29 2.66 21.76 44.83 79.41
K1781 脳血管内手術 1箇所 (くも膜下出血、未破裂脳動脈瘤) 29 1.66 26.9 51.72 67.34
K1771 脳動脈瘤頸部クリッピング 1箇所 (くも膜下出血、未破裂脳動脈瘤) 21 1.67 34.29 66.67 72.05
K1742 水頭症手術(シャント手術) (水頭症) 18 23.78 18.06 83.33 70.78
慢性硬膜下血腫に対する手術が29例、脳動脈瘤に対するクリッピング術が24例、内頚動脈狭窄症に対する内膜剥離術が14例、非外傷性脳内出血に対する血腫除去術が23例(開頭血腫除去術10例、内視鏡的血腫除去術13例)、外傷性急性硬膜下血腫に対する血腫除去術が15例、頭蓋内腫瘍摘出術が3例などを行っております。血管内治療では、経皮的脳血栓回収術が51例、頚動脈ステント留置術が8例、脳動脈瘤に対するコイル塞栓術23例などを行っています。
手術室はICG(インドシアニングリーン)蛍光血管造影が可能な顕微鏡、ナビゲーションも使用できる環境にあり、適宜MEP等のモニタリングも行って安全な手術を心がけています。また、血管内治療では、バイプレーンによる2方向からの透視とCTを兼ね備えたIVR-CTにより、より安全な治療と迅速な検査が可能となっています。

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注)症例数について
上記症例数は、以下の理由から、同一期間における実際の症例数より、少ない件数となっています。
・労災、自賠責、自費、治験、出来高算定患者等は集計対象外
・転科や共診など複数の診療科が治療を行った場合、医療資源を最も投入した傷病の担当科で集計
心臓血管外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K555-22 経カテーテル的大動脈弁置換術 経皮的アプローチ (心臓弁膜症) 120 2.98 7.48 14.17 84.34 心臓血管外科術前
心臓大血管手術
K5522 冠動脈バイパス術 2吻合以上のもの (心筋梗塞、狭心症) 42 5.48 14.81 35.71 73.74 心臓血管外科術前
心臓大血管手術
K5551 弁置換術 1弁のもの (心臓弁膜症) 34 7.88 20.15 29.41 71.53 心臓血管外科術前
心臓大血管手術
K5606 大動脈瘤切除術 吻合・移植 分枝血管の再建を伴うもの (腹部大動脈瘤) 19 2.32 12.05 15.79 70.63 心臓血管外科術前
心臓大血管手術
K560-22ニ オープンステントグラフト内挿術 上行大動脈及び弓部大動脈の同時手術 その他のもの (大動脈解離、胸腹・腹部大動脈瘤) 18 1.5 19.89 27.78 65.89 心臓血管外科術前
心臓大血管手術
2024年の年間手術症例数は505例でした。心臓・大血管手術は286例でした。

■心臓手術…230例(うち、TAVI 139例)
■胸部大動脈…56例
■腹部大動脈…34例
■末梢血管…154例
■その他…31例
 (2024/1~2024/12 抽出データ)

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年間手術件数
消化器外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 (胆のう炎) 195 0.91 6 4.62 68.55 腹腔鏡下胆嚢摘出術(緊急)
腹腔鏡下胆嚢摘出術(予定)
K634 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術 (鼠径ヘルニア) 79 1 1.23 5.06 73.14 鼠径ヘルニア修復術
K719-3 腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術 (結腸癌) 54 2.5 11.06 5.56 76.33 大腸切除術
K718-21 腹腔鏡下虫垂切除術 虫垂周囲膿瘍を伴わないもの (虫垂炎) 51 0.33 4.06 0 52.57 虫垂切除術(緊急)
虫垂切除術(予定)
K726 人工肛門造設術(開腹) (大腸癌、大腸穿孔) 35 6 35.63 60 75.8
 消化器外科では、消化器領域の良性、悪性疾患に対する手術を行っています。2024年の総手術件数は705件で年々増加傾向です。
 急性・慢性胆嚢炎に対する腹腔鏡下胆嚢摘出術が最も多く195件でした。虫垂炎に対する腹腔鏡下虫垂切除術が63件(周囲膿瘍を伴わない:51件、周囲膿瘍を伴う:12件)、鼠径ヘルニアに対する手術が96件(腹腔鏡手術:79件、前方アプローチ:17件)でした。
 悪性腫瘍に対する手術は、胃:35件(腹腔鏡手術:26件、開腹手術:9件)、大腸:89件(結腸腹腔鏡手術:54件、結腸開腹手術:9件、直腸腹腔鏡手術:26件)、肝臓:15件(腹腔鏡下3件、開腹手術:12件)、胆道:6件(開腹手術:6件)、膵臓:10件(開腹手術:10件)でした。

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泌尿器科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7811 経尿道的尿路結石除去術 レーザーによるもの (尿路結石) 98 1.18 4.02 2.04 64.72 経尿道的尿管砕石術(TUL)
K8036イ 経尿道的膀胱腫瘍切除術 電解質溶液利用のもの (膀胱腫瘍、膀胱癌) 53 1.08 4.68 1.89 76.51 経尿道的膀胱腫瘍切除術(TURBT)
K773-2 腹腔鏡下腎(尿管)悪性腫瘍手術 (腎癌) 27 1.78 10.81 0 68.63 腹腔鏡下根治的腎全摘出術
腹腔鏡下腎部分切除術
腹腔鏡下腎尿管全摘術
K764 経皮的尿路結石除去術 経皮的腎瘻造設術を含む (腎結石、尿路結石) 25 1 7.24 0 62 経皮・経尿道併用結石破砕術(ECIRS)
K843-2 腹腔鏡下前立腺悪性腫瘍手術 (前立腺癌) 17 1 9.71 0 73.41 腹腔鏡下前立腺全摘除術
尿路結石症の患者さんが多く紹介され、緊急の尿管ステント留置術や、腎瘻造設術を行っています。尿路結石に対する手術は98件、膀胱腫瘍に対する手術は59件、膀胱結石に対する手術は12件施行しています。悪性腫瘍の患者さんでは、腎癌に対する手術は18件、腎盂・尿管・膀胱癌に対する手術は66件、前立腺癌に対する手術は27件施行しています。また、前立腺肥大症に対する手術は1件施行していますが、高齢で合併症が多く、手術不能な症例が増加傾向にあります。
形成外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K333 鼻骨骨折整復固定術 (鼻骨骨折) 23 1.13 1.22 0 28.57 鼻骨骨折整復術
K0132 分層植皮術 25㎠以上100㎠未満 (壊死性筋膜炎、皮膚潰瘍、熱傷) 14 17.71 21.93 50 70.36
K0433 骨掻爬術 足その他 (化膿性骨髄炎) 13 2.46 17.77 0 67
K0871 断端形成術 骨形成を要するもの 足、指 (下肢動脈硬化性壊疽、化膿性骨髄炎) 10 3.2 12.8 30 75.2
K0134 分層植皮術 200㎠以上 (壊死性筋膜炎、皮膚潰瘍、熱傷) - - - - -
※10症例未満は個人情報保護のため-(ハイフン)を表示しています

鼻骨骨折に対する手術が23例、頬骨骨折に対する手術が6例と顔面骨骨折が多く、この他にも新鮮熱傷、顔面軟部組織損傷、手足の外傷、先天異常、母斑、血管腫、良性腫瘍、悪性腫瘍、瘢痕、瘢痕拘縮、ケロイド、褥瘡、難治性潰瘍などの手術を行っています。また、外来での日帰り手術も行っております。

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呼吸器外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K514-23 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術 肺葉切除又は1肺葉を超えるもの (肺癌) 20 1.05 3.45 0 75 肺葉肺区域切除
K5131 胸腔鏡下肺切除術 肺嚢胞手術 楔状部分切除によるもの (自然気胸、続発性気胸) 15 6.27 2.13 0 48.13 自然気胸
K514-22 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術 区域切除 (肺癌) - - - - - 肺葉肺区域切除
K514-21 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術 部分切除 (肺癌) - - - - - 肺部分切除術
K5132 胸腔鏡下肺切除術 部分切除 (肺良性腫瘍、肺生検) - - - - - 肺部分切除術
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当院ではほとんどの呼吸器外科手術を胸腔鏡を用いた低侵襲手術で行っています。前任地の岡山赤十字病院では1500例以上の胸腔鏡下肺葉・区域切除を行っており、入院期間の中央値は5日、平均値は8.9日でした。その他、縦隔腫瘍、気胸など、全て胸腔鏡手術で行っています。
乳腺外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K4762 乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術 腋窩部郭清を伴わないもの (乳癌) 47 0.96 1.13 2.13 59.21 乳房温存+センチネルリンパ節生検
K4763 乳腺悪性腫瘍手術 乳房切除術 腋窩部郭清を伴わないもの (乳癌) 38 1.03 8.32 0 63.16 乳房切除+センチネルリンパ節生検
K4765 乳腺悪性腫瘍手術 乳房切除術 腋窩鎖骨下部郭清を伴うもの 胸筋切除を併施しないもの (乳癌) 17 1 8.06 0 58.47 乳房切除+腋窩郭清
K4741 乳腺腫瘍摘出術 長径5センチメートル未満 (乳腺良性腫瘍、乳腺腫瘤) 10 0.3 1.6 0 54.9
K0221 組織拡張器による再建手術 一連につき 乳房再建手術の場合 (乳癌) - - - - - 乳房切除(TE挿入)+センチネルリンパ節生検
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良性疾患から乳癌まですべての乳腺疾患の診断・治療に対応します。腫瘤の良悪性の鑑別には超音波など画像ガイドの針生検を行いますが、不必要な針生検を避けるために正確な画像診断を行います。また、乳癌手術では整容性の高い乳房温存や腕のリンパ浮腫を避けるためのセンチネルリンパ節生検など低侵襲手術を推進します。薬物にはホルモン療法・抗癌剤・分子標的薬がありますが、術前・術後や進行再発など治療のタイミングと乳癌のタイプに合った過不足のない治療を選択し。チームで支援して高い確率で治療を完遂します。また、がんの症状や治療の副作用を低減する緩和ケア、乳癌発症リスクが高い遺伝性腫瘍の診療にも対応します。
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード
DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 - -
異なる - -
180010 敗血症 同一 43 0.39
異なる 15 0.14
180035 その他の真菌感染症 同一 - -
異なる - -
180040 手術・処置等の合併症 同一 70 0.64
異なる - -
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・指標の説明
医療の質の改善に資するため、臨床上ゼロにはなりえないものの、少しでも改善すべきものとして、敗血症、播種性血管内凝固症候群、手術・術後の合併症、その他の真菌症について、入院のきっかけとなった疾病と同一であるか、異なるかを区別して集計しています。

・「敗血症」とは、感染が全身の血管や組織に広がり、重い症状になった状態のことをいいます。このような状態では、細菌の出すエンドトキシン(発熱物質)などが白血球の一種である単球やマクロファージの表面に組織因子を生じさせて凝固反応が始まり、血管内皮細胞の抗血栓性が低下して血栓(血液のかたまり)が生じます。「播種性(はしゅせい)血管内凝固症候群(DIC)」では、このように基礎疾患が悪化して、全身の血管に小さな血液のかたまり(微小血栓)が無数に生じる病態です。細い血管が詰まるため、血流が妨げられて、酸素や栄養などが組織に届かなくなり、腎臓や肺などの臓器障害を起こし、生命に重大な危険をもたらします。発生率は昨年度から変わりありませんでした。

・「その他の真菌症」は、真菌による感染症で、代表的な真菌症として白癬やカンジダ症、クリプトコックス症、アスペルギルス症などが挙げられます。発生率は昨年度から変わりありませんでした。

・「手術・処置の合併症」は、術創部の感染、内視鏡手術後の創部出血、透析シャント閉塞、人工股関節の脱臼などがあります。手術、処置の後に退院となり、自宅・施設等で発症し、再入院となったものです。手術、処置の合併症は一定の確率で発生しますが、手術前に合併症についての説明を行い、手術にあたっては合併症を起こさないように細心の注意を払って手術を行っています。発生率は昨年度から大きな変化はありませんでした。
リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率ファイルをダウンロード
肺血栓塞栓症発症のリスクレベルが
「中」以上の手術を施行した
退院患者数(分母)
分母のうち、肺血栓塞栓症の
予防対策が実施された患者数(分子)
リスクレベルが「中」以上の手術を
施行した患者の肺血栓塞栓症の
予防対策の実施率
1515 1367 90.23
肺血栓塞栓症のリスクレベルが「中」以上の手術を施行した入院患者について、予防対策(弾性ストッキングの着用、間歇的空気圧迫装置の利用、抗凝固療法)が実施された症例の割合を集計しています。肺血栓塞栓症(PTE)は、術後の安静や血流停滞により発生する可能性があり、予防対策の実施は患者さんの生命を守る上で重要です。突然死を引き起こす可能性のある疾患であり、より高い実施率が望まれます。予防には術前評価と術後の継続的な観察が必要であり、看護師、医師、薬剤師の連携が不可欠です。医療機関の周術期管理体制や安全対策の充実度を示すプロセス指標として、患者さんの安全確保に直結します。
血液培養2セット実施率ファイルをダウンロード
血液培養オーダー日数(分母) 血液培養オーダーが1日に
2件以上ある日数(分子)
血液培養2セット実施率
4699 4547 96.77
感染した下部尿路へのカテーテル留置、膿瘍または感染創の外科的処置等を起因として、無菌であるはずの血液中に細菌が存在する状態を菌血症といいます。菌血症が疑われる患者には、経験的に抗菌薬を投与しますが、投与前に血液培養を行うことで、最初に投与された抗菌薬が外れていても、血液培養結果が判明した時点で適切な抗菌薬に変更することができます。また、血液培養を行う際は、血液培養ボトルを2セット(2箇所)採取しますが、2セット採取の理由は、検出感度*の向上や、採血時に皮膚から混入する常在菌による汚染(偽陽性)の判別が可能となるためです。2セット実施率は、血液培養を実施した症例のうち、同日に2セット以上採取された割合を示す指標であり、医療機関の感染症対応力を評価する上で、重要なプロセス指標のひとつです。

*採取セット数別起炎菌検出率
 1セット 73.2%、2セット 93.9%、3セット 96.9%
広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率ファイルをダウンロード
広域スペクトルの抗菌薬が
処方された退院患者数(分母)
分母のうち、入院日以降抗菌薬処方日
までの間に細菌培養同定検査が
実施された患者数(分子)
広域スペクトル抗菌薬使用時の
細菌培養実施率
771 700 90.79
近年、多剤耐性アシネトバクター属菌や、幅広い菌腫に効果を有するカルバペネム系抗菌薬に耐性のある腸内細菌科細菌など、新たな抗菌薬耐性菌(以下、耐性菌)が出現し、難治症例が増加していることが世界的な問題となっています。不適切な抗菌薬の使用は、耐性菌の発生や蔓延の原因になることから、各医療機関において抗菌薬適正使用支援チーム(AntimicrobialStewardshipTeam:AST)を組織するなど、抗菌薬適正使用を推進する取り組みが求められます。抗菌薬適正使用の鍵を握るのは正確な微生物学的診断であり、抗菌薬投与前の適切な検体採取と培養検査が必要です。この指標は、抗菌薬使用の妥当性を評価するための重要なプロセス指標であり、感染対策チームによる介入や教育活動の成果を反映します。
転倒・転落発生率ファイルをダウンロード
退院患者の在院日数の総和
もしくは入院患者延べ数(分母)
退院患者に発生した転倒・転落件数
(分子)
転倒・転落発生率
133339 404 3.03
入院中の転倒やベッドからの転落は、医療安全上の重大なインシデントであり、身体的損傷や入院期間の延長を引き起こす可能性があります。転倒・転落の原因は、入院生活や疾患、薬剤、手術などさまざまなものがあり、転倒・転落発生率は、一定期間内に発生した件数を患者数で割った割合で示され、病院の安全管理体制を評価する指標となります。高齢者や認知症患者、薬剤の影響を受けやすい患者さんはリスクが高く、予防には多職種によるアセスメントと環境整備が不可欠です。この指標は、医療機関が転倒・転落予防にどれだけ取り組んでいるかを示す重要なアウトカム指標です。

※単位:‰(パーミル)
  1‰(パーミル) = 0.1%(パーセント)
転倒転落によるインシデント影響度分類レベル3b以上の発生率ファイルをダウンロード
退院患者の在院日数の総和
もしくは入院患者延べ数(分母)
退院患者に発生したインシデント
影響度分類レベル3b以上の
転倒・転落の発生件数(分子)
転倒転落によるインシデント影響度
分類レベル3b以上の発生率
133339 17 0.13
医療安全管理において、転倒・転落による患者さんへの影響度を分類することは重要であり、レベル3b以上は、中等度以上の身体的損傷を伴う事象を指します。発生率は、一定期間における該当インシデント件数を患者数で割った割合で示されます。骨折や頭部外傷などの重篤な結果を伴うため、予防策の徹底が求められます。この指標は、単なる発生件数ではなく、患者に与えた影響の深刻度に着目したアウトカム指標であり、医療機関の安全文化やリスクマネジメント体制の成熟度を評価する上で有用です。

※単位:‰(パーミル)
  1‰(パーミル) = 0.1%(パーセント)
手術開始前1時間以内の予防的抗菌薬投与率ファイルをダウンロード
全身麻酔手術で、
予防的抗菌薬投与が実施された
手術件数(分母)
分母のうち、手術開始前
1時間以内に予防的抗菌薬が
投与開始された手術件数(分子)
手術開始前1時間以内の
予防的抗菌薬投与率
2551 2452 96.12
手術部位感染(SSI)予防のため、予防的抗菌薬は手術開始前1時間以内に投与することが推奨されています。適切なタイミングでの投与により、術中の血中濃度を確保し、感染予防効果を最大化できます。投与率は、全身麻酔手術症例のうち、規定時間内に抗菌薬が投与された割合を示します。この指標は、感染対策の実施状況を評価するプロセス指標であり、医療機関の手術管理体制や感染対策の質を示すもので、患者さんの安全確保に直結します。
d2(真皮までの損傷)以上の褥瘡発生率ファイルをダウンロード
退院患者の在院日数の総和もしくは
除外条件に該当する患者を除いた
入院患者延べ数(分母)
褥瘡(d2(真皮までの損傷)以上
の褥瘡)の発生患者数(分子)
d2(真皮までの損傷)以上の
褥瘡発生率
133339 278 2.08
d2以上の褥瘡とは、真皮を超える深さの損傷を伴う褥瘡を指し、医療機関におけるケアの質を評価する重要なアウトカム指標です。発生率は、入院後、新たに発生したd2以上の褥瘡件数を患者数で割った割合で示されます。褥瘡は長期臥床や栄養不良、体位変換不足などが原因となり、予防には早期アセスメントと多職種による介入が不可欠です。この指標は、患者のQOLや入院期間に影響を与えるため、医療機関の看護ケアの質や予防体制の充実度を示します。
65歳以上の患者の入院早期の栄養アセスメント実施割合ファイルをダウンロード
65歳以上の退院患者数
(分母)
分母のうち、入院後48時間以内に
栄養アセスメントが実施された
患者数(分子)
65歳以上の患者の入院早期の
栄養アセスメント実施割合
8102 4214 52.01
高齢患者は低栄養のリスクが高く、早期の栄養アセスメントが健康維持と回復促進には不可欠です。この指標は、65歳以上の入院患者さんに対して、入院後48時間以内に栄養状態の評価が実施された割合を示します。評価には、身体計測、食事摂取状況、血液検査、既往歴などが含まれ、管理栄養士などの専門職が関与します。早期の介入により、褥瘡予防や感染症リスクの低減、リハビリ効果の向上が期待されます。医療機関の栄養管理体制の充実度を示すプロセス指標として、患者さん中心の医療の質向上に貢献します。
身体的拘束の実施率ファイルをダウンロード
退院患者の在院日数の総和
(分母)
分母のうち、身体的拘束日数の総和
(分子)
身体的拘束の実施率
133339 21697 16.27
身体的拘束は、患者さんの安全確保を目的として行われるが、身体的・精神的負担が大きく、慎重な判断と代替手段の検討が求められます。この指標は、入院中に身体的拘束を実施した患者さんの割合を示し、拘束には抑制帯、ミトン型手袋、ベッド柵の固定などが含まれます。拘束の実施には医師の指示と記録が必要であり、倫理的配慮と家族への説明も重要となります。医療機関のケアの質や人権尊重の姿勢を評価する指標であり、拘束ゼロを目指す取り組みを進めて、患者さんの尊厳を守るための体制整備が求められます。
更新履歴
2025/9/30
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