TAVI指導施設

当院では2014年から導入し、2019年に四国初の専門施設となりました。2021年2月には透析患者さんへのTAVI実施施設となり、2023年1月31日付でTAVI指導施設となりました。指導施設というのは全国で24施設(2022年末時点)しかありません。

2014年12月11日
1例目
高知県初、四国2番目
2015年 5月27日
完全独立施設
四国初、全国20番目
2017年 3月23日
100例目
2019年 3月 7日
200例目
2019年 3月 15日
専門施設
四国初、全国20番目
2021年 2月
慢性透析患者さんへのTAVI実施施設認定
当時全国26施設
2023年 1月
TAVI指導施設
全国24施設(2022年末時点)
ハートチームのカンファレンス.jpg

TAVIは、大動脈弁狭窄症をカテーテルで治療する手術方法で、従来の大動脈弁置換術を開胸で行う手術に比べると、生体への侵襲が少なく、体力があまりない高齢者に優しい治療となっています。どちらの治療が適切かを選択するときから、ハートチームで会議を行っています。 当院では以前から通常の手術にもこういったチームで診療にあたってきましたが、TAVIを行うにあたってはそれ以上にチームメンバーの連携が密に行われる必要があります。
わたしたちは、このハートチームで2014年12月からTAVIを開始し、すでに総数580例を超えています。

大動脈弁狭窄症手術症例件数

大動脈弁狭窄症手術症例件数

当院のTAVI指導医・実施医

2023.4.1時点

指導医・プロクター*
入江 博之(心臓血管外科)
指導医
西田 幸司(循環器内科)
菅根 裕紀(循環器内科)
田井 龍太(心臓血管外科)
衣笠 由祐(心臓血管外科)
実施医
川井 和哉(循環器内科)
手嶋 英樹(心臓血管外科)
細田 勇人(循環器内科)
西村 祐希(循環器内科)
宮﨑 延裕(放射線科)

*プロクター:他施設の医師に対しても技術指導を行うことが可能。

TAVI(タビ)とは?

心臓にある弁に障害が起こり、本来の役割が果たせない状態を「心臓弁膜症」といい、外科的治療(胸部を開口し機械弁や生体弁に入れ替える弁置換手術)を行っていました。ただし、高齢のため体力の低下やその他の疾患などのリスクで、外科的治療を受けることをあきらめていた方に、カテーテルを使って人工弁を留置する新しい治療方法です。
欧州では2002年に世界で初めて実施され、世界中で10万人以上の患者さんに使われています。
人口心臓弁.jpg

TAVIのメリットは?

TAVI手術中.jpg
  • 高齢のため体力が低下している方や、その他の疾患により外科的治療ができなかった患者さんに適応できる新たな治療方法です。
  • 外科的治療とちがい開胸しない、心臓を止めずに、カテーテルを使用して心臓へアプローチをする、体に負担の少ない方法です。
  • 治療時間や入院期間が短く、比較的短い期間での社会復帰が期待できます。

TAVIの手術方法は?

TAVIはカテーテルと呼ばれる細い管を血管内に挿入します。アプローチは基本的に足の付け根にある血管から行いますが(経大腿アプローチ〈TF〉)、医師が患者さんの状態に応じ、4種のアプローチ方法から選択します。人工弁は、カテーテルの先端に小さく折りたたんだ状態で心臓内の弁上まで運び、拡張させ留置します。

心臓へのアプローチ

経大腿アプローチ〈TF〉

足の付け根にある大腿動脈からカテーテルを挿入します。

経心尖アプローチ〈TA〉

肋骨の間を小さく切開し、そこからカテーテルを挿入します。

経大動脈アプローチ〈TAo〉

肋骨上部を小さく切開し、上行大動脈からカテーテルを挿入します。

経鎖骨下動脈アプローチ〈TSc〉

鎖骨下動脈からカテーテルを挿入します。

アプローチ説明図.jpg

人工弁の種類

(1) バルーン拡張型人工弁

バルーン拡張型人工弁は、カテーテルの先端に小さく折りたたんだ状態で心臓内の弁上まで持っていき、バルーンという小さな風船で押し広げます。その後バルーンを抜くと人工弁は留置されます。

特徴

弁輪部とステントの隙間をなくすことで、弁周囲逆流を軽減させます。また、積極的な過拡張が不要のため、出血リスクが低減します。留置後には正円性が維持されるため、良好な血行動態と高い耐久性を認めます。

人工弁留置説明図.jpg

バルーン拡張型人工弁を用いたTAVI
経大腿アプローチ (TransFemoral)

バルーン拡張型人工弁を用いたTAVI
経心尖アプローチ (TransApical)

(2) 自己拡張型人工弁

自己拡張型人工弁は、カテーテルの先端に小さく折りたたんだ状態で心臓内の弁上まで運びます。その後カテーテルを引き抜くと、人工弁が元の形状に戻ろうと拡張し留置されます。

特徴

デバイスの外径が細いため、血管径の小さい患者さんにも対応が可能です。また、自己弁輪と人工弁の広い接触面積が弁周囲逆流を軽減させます。患者さんご自身の大動脈弁の位置よりも高い位置で機能し、広い弁口面積を確保するため、スムーズな血流の再現と良好な血行動態を認めます。

人工弁留置説明図.jpg

自己拡張型人工弁を用いたTAVI

TAV in SAV実施施設

TAV in SAVは、機能不全を起こした外科生体弁に対しカテーテルで新たな生体弁を植え込む治療法です。
生体弁を使用した外科的弁置換術を施行後、およそ10~15年経つと生体弁は劣化してきます。生体弁が狭窄や逆流を来たして正常に機能しなくなった状態を「生体弁機能不全」といいます。
これまで、生体弁機能不全に対しては、リスクが高い2回目の開胸手術を行うしかありませんでしたが、TAV in SAVが施行可能となったことで、より低侵襲に弁機能を改善することができます。

バルーン拡張型人工弁TAV in SAV.jpg
(1) バルーン拡張型人工弁使用イメージ
植え込みイメージ.jpg
植え込みイメージ.jpg
(2) 自己拡張型人工弁使用イメージ
自己拡張型人工弁TAV in SAV.jpg

ハートチームとは?

ハートチーム集合写真.jpg

TAVIを行うにあたって、心臓血管外科医、循環器内科医、麻酔科医、放射線科医をはじめ、看護師、臨床検査技師、放射線技師、臨床工学技士、理学療法士、管理栄養士、薬剤師といった多職種が協力して治療にあたる「ハートチーム」が結成されています。
多くのスタッフが各々の経験や知識を駆使し、チーム一丸となって患者さんをケアいたします。 TAVIは多くの検査と緻密なプランニング、また術後の管理まで全てを一貫してハートチームが行います。

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TAVI施行時のタイムスケジュール例(2019年6月6日)

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