相談役 近森正幸のひとりごと soliloquy

相談役 近森正幸のひとりごと

相談役 近森正幸のひとりごと

[2024年1月15日] 円山英昭先生長い間お世話になりました。

病理診断科 病理部長の円山 英昭先生が、2023年12月31日をもって退職されることになりました。18年間病理部長として病理診断ばかりでなく、高潔なお人柄で私達に接して下さり、本当にありがとうございました。

私の大学の同級生で山岳部で一緒であった芝山雄老先生が中田勝次教授の後を継いで母校の病理学教室の教授になりましたが、自分は肝臓の病理屋だけど、円山先生は肝臓の本物の病理学者だと尊敬しておりました。そんな円山先生がすごい病理学者であることを知らない方も多いと思いますし、近森とのご縁を絡めながら述べさせていただきます。

先生は、広島大学で大学院を修了後、1975年ドイツのフライブルグ大学医学部病理学研究所に留学されています。そののち、1978年に当時の高知医科大学の第一病理学教室の助教授として赴任され、それ以降28年間にわたり大学で肝臓を専門とした研究と医学生や若い病理医の教育に専念されていました。1978年は私も外科医として近森病院に帰ってきた年で、臨床の基礎は病理が大事だと考えていましたので、なんとか近森病院にも病理の先生に来て頂きたいと考えていました。そういう訳で円山先生にも助教授の時代に以前の病理解剖室の設計をお願いしたりして交流を深めていました。

1995年 第一病理学教室の教授に就任後、2006年 医学部長の時に大学を定年退職されました。その時、当時の川添管理部長と一緒に医学部長室へお伺いして近森病院に来て頂きたいとお願いしましたら快くお受けしてくださり、その時の握手して下さった手のぬくもりを今でも覚えています。

2006年4月に近森病院に検査部の病理部長として来て頂き「研究者というより病理診断医として研究に裏打ちされた病理学的情報を正確に主治医に伝え、全面的に臨床医を支援します」という立場で18年間の長い間、近森病院の臨床をサポートして頂きました。先生は病理診断科の部長として中嶋先生、坂西先生という病理の認定医を育ててくださいましたし、その温厚で高潔なお人柄は皆さん感じておられると思いますが、私もお会いしてお話すると心が温かくなり、ほのぼのとした気持ちになりますので、先生とお話しするのがいつも楽しみでした。臨床の先生方や病理検査室のスタッフ、病院のみんなから慕われ、信頼された先生でした。

もうお年だということで、1、2年前から辞めさせてほしいというお申し出がありましたが、お別れするのが寂しくて、もう少し、もう少しと延ばしていましたが、とうとう退職の日を迎えることになりました。円山先生、本当に長い間ありがとうございました。

円山先生を送る会 集合写真

社会医療法人 近森会
理事長 近森 正幸