相談役 近森正幸のひとりごと soliloquy

相談役 近森正幸のひとりごと

理事長のひとりごと

[2018年08月31日] GE日野本社工場見学記

 GEヘルスケアジャパンの毛受義雄イメージング本部長に誘われて夏の暑い日、日野本社工場に見学に行かせてもらった。興味を持った発端は、トヨタのかんばん方式をさらに進化させたGE Brilliant Factory(人とプロセスの「ばらつき」を標準化して業務を効率化するために、デジタルを活かして最適なプロセスを見直し、定型業務を機械におとしこむ)であった。まさに「人はミスをするが、機械は故障する」がよく分かっている。

 世界のGEのCT組み立て工場なのでロボットが活躍する自動工場を想像しながら訪問させて頂いた。工場内に一歩足を踏み入れてまず驚いたことはビニールパイプやローラーを使って手作りで枠組みを作り、滑車や重力の原理を利用して電動でなく「からくり」で重い部品を上げたり遠くに移動させたりして業務を改善したり、取り付ける部品やネジをきちんと工程ごとにセッティングして効率よく確実に組み立てを行っている現場のスタッフの地道な努力でした。そうしたアナログの手作りの改善の後、センサーを導入しスタッフの動線や滞留をチェックしてシステムとして、それこそ乾いた雑巾を絞るような種々の「KAIZEN」を行っていました。

 組み立て中のCTガントリーがベルトコンベアーの上を1時間に1mの速さで移動しており、周囲のスタッフが流れるように部品を組み立てていました。1982年会社創立当時はCTガントリーの組み立てに5日間かかっていましたが、現在は作業時間を95%削減し0.6日で1台が完成しています。

 日野工場だけの効率化だけでなくサプライチェーン全体の効率化、最適化を進めており、将来的には病院施設単位の効率化から地域医療連携の効率化も視野に入れて製造現場から医療現場への挑戦が始まっています。

 病院現場でも同じで、まずアナログでやってみて試行錯誤してある程度うまく運営されるようになってからでないとシステムがうまく利用できません。当院でも経費の削減、なかでも人件費の削減が喫緊の課題になっています。単に人数を減らすのではなく「ムリ、ムダ、ムラ」を見直しスタッフを多機能職にして業務処理能力を向上させることで労働生産性を上げつつ人件費の削減を行いたいと考えています。多職種による病棟常駐型チーム医療についてもいろいろのヒントをいっぱい頂いた工場見学でした。

 最後に、本社玄関横には京都石清水八幡宮の竹で作ったトーマス・エジソンのオリジナルの白熱電球が展示されており、その柔らかくて温かい光に長い歴史を思い感動していると社長から「こんなに興味を持って見て下さったのは先生が初めて」と言われてしまった。

  • 手作りの枠組み
  • 本社玄関にて

  • 石清水八幡宮から移植された竹

  • エジソンのオリジナル白熱電球

2018年8月31日

理事長 近森正幸